有機フッ素化合物を取り巻く現状

PFOS (ペルフルオロオクタンスルホン酸)・PFOA (パーフルオロオクタン酸) に代表される人工の有機フッ素化合物は、撥水剤、防汚剤、界面活性剤などとして各種材料や薬品に添加剤として用いられてきました。近年、地球規模での環境残留性や生体蓄積性が明らかとなり国際的な規制がはじまっています。

2010年にPFOSが、2019年にPFOAがPOPs条約(残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約)の対象となり、PFOSの代替物質として使用されているPFHxSも議論の俎上にあげられています。POP条約の対象となった化合物は、第一種特定化学物質として規制されます。

現行のPFOS・PFOAに関する規制
<環境水>
2020年5月から公共用水域・地下水においてPFOS及びPFOAが要調査項目から要監視項目に位置付けられました。指針値(暫定)はPFOSとPFOAの量の和として0.00005 mg/Lが設定されています。

<水道水>
PFOS・PFOAは水道水の原水および浄水から検出されており、浄水場における水質管理を適切に行うという観点において2020年4月1日から要検討項目から水質管理目標設定項目へ変更になりました。暫定目標値はPFOSとPFOAの量の和として0.00005 mg/L(50ng/L)が設定されています。

  • PFOS (PerFluoroOctaneSulfonic acid)

  • PFOA (PerFluoroOctanoic acid)

ご利用シーン

●環境中に処理水を放出する際に、処理前後の水の調査を実施することにより、ご使用の施設における処理効率を把握することができます。
●排水が適正に処理されて環境中に放出されていることを確認できます。
●モニタリング調査を実施することにより、河川や湖沼域におけるPFOS・PFOAの濃度の変動の実態を把握することができます。
●製品中の含有量調査などに対応いたします。

(ご依頼後)調査・分析の流れ

ステップ1
試料採取

当社調査員が試料採取に伺います。また、お客様の持ち込み試料にも対応いたしますのでご相談ください。

ステップ2
前処理・分析

試料媒体ごとに適切な前処理をおこない、高速液体クロマトグラフ質量分析計(LC/MS/MS)により分析をおこないます。

ご報告までの流れ

各媒体における必要試料量の詳細はお問合せください

ステップ3
試験成績書の発行

試験成績書をお届けします。

当社の有機フッ素化合物分析

「水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の施行等について(令和2年5月28日 環水大水発第2005281号 環水大土発第2005282号 環境省水・大気環境局長通知)」に定められている分析法に対応いたします。

PFOS等の有機フッ素化合物は身の回りにあるテフロン製品や撥水処理をした製品に含まれており、分析時にコンタミネーションしやすい物質です。

当社は長年にわたり環境水、排水等の様々な試料中の有機フッ素化合物の分析に対応しており、使用器具の管理や分析工程の管理に十分注意し、適切な精度管理をおこなっております。

事例・実績

当社は昨年度の環境省業務「令和元年度有機フッ素化合物に係る調査検討業務」を受託し、水環境中におけるPFOS及びPFOAの全国調査や、目標値等に関する検討会の事務局運営等をおこなっております。