商品概要
生物調査は、色々な手法を用いて調査地域の生物多様性を把握するために行う調査です。
私たちの生活や事業活動は、多様な生物が織りなす生態系からの恵み(生態系サービス)を受け成立しています。SDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))の17の目標(ゴール)では、「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさも守ろう」を掲げ、持続可能な開発のためには、生物多様性損失の阻止が求められています。
このため、これからの事業活動では、適切な生物調査を実施し、生物多様性への影響等について把握、保全計画、管理計画等の事業計画の方針や事業実施上のリスク回避等を事前に十分に検討することが重要となります。
ご利用シーン
事業計画の検討段階
事業地の選定等の初期検討段階に実施することで、事業リスクの回避に利用。
事業実施前
環境影響評価、都市計画認可関連、自然公園法の開発許可申請、地方自治体等の自然環境保全条例届出等の法令手続きに必須。
例)環境影響評価では、四季の変化を考慮した4季調査を基本として、調査対象の特性に応じて早春や渡り時期の調査を追加し、約1年間の調査期間が必要となります。さらに、猛禽類調査が必要な場合は、1.5繁殖期が基本となり、2年間程度の調査期間が必要となる場合があります。
事業実施中・事業実施後
工事中の監視・管理のためのモニタリング、施設供用後の直後から複数年間の継続モニタリング調査。
河川、森林、公園、ビオトープ施設等の管理・復元事業
河川、森林の維持管理計画、ビオトープの復元・創出、自然公園の管理事業の計画。
風力発電所(石川県)
土地区画整理事業(三重県)
大師橋周辺干潟(東京都)
(ご依頼後)調査・分析の流れ
ステップ1:調査計画立案
ステップ2:現地調査の実施
ステップ3:調査結果報告
ステップ4:保全措置の実施
- ステップ1
- 調査計画立案
ステップ1.1 事業計画及び調査目的の整理
ステップ1.2 既存資料・ヒアリング等により地域概況で特性把握、適宜専門家へのヒアリング、現地下見
ステップ1.3 調査計画 調査項目(対象種)・範囲・方法・時期・期間等の設定、許可等手続き
ステップ1.4 法令に係る調査の場合は関係機関との調整、対応(例:環境影響評価方法書)
- ステップ2
- 現地調査の実施
ステップ2.1 調査準備、各種許可等手続き(魚類特別採捕許可、鳥獣の捕獲等の許可 等)
ステップ2.2 現地調査実施(1季目)
ステップ2.3 植物、昆虫等採集標本の同定、速報整理
ステップ2.4 貴重種等の抽出、
ステップ2.5 次回調査計画(追加項目、調査方法等の必要性等検討)
ステップ2.6 現地調査実施(2季目)
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・ (繰り返し)
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- ステップ3
- 調査結果報告
ステップ3.1 調査結果の取りまとめ保全対策の提案
ステップ3.2 事業実施による影響の予測評価
ステップ3.3 保全措置(回避・低減・代償)等の立案
ステップ3.4 調査結果の説明、保全措置及びモニタリング調査の提案

- ステップ4
- 保全措置の実施
ステップ4.1 工事開始前のマーキング
ステップ4.2 代償措置として、希少植物の移植、猛禽類の代替巣の設置等実施等
ステップ4.3 工事中のモニタリング、猛禽類の馴化実施
ステップ4.4 供用後のモニタリング、管理等
ギンラン
(茨城県 太陽光発電事業)ベニマシコ
(三重県 土地区画整理事業)ヒメカサキビ
(三重県 土地区画整理事業)
特長
①動植物の把握は、地域特性、対象種にり各種調査方法を組み合わせたオーダーメイド調査が必要です。弊社は、調査計画から、モニタリング調査実施まで、一貫対応いたします。
②調査結果の利用目的や調査地域の特性等を考慮し、適切な調査計画(調査対象、調査手法(方法、時期等)の選定)を検討したうえで、正しい調査時期、正しい調査方法、正しい種の判別の経験と技量がある調査員が正しく実施することが重要となる調査です。
③弊社は、長年にわたり、環境影響評価(各自治体の条例、法)、自然環境保全条例、水と緑の渓流づくり、水辺の国勢調査、中小河川調査等、多くの保全対策や開発事業に携わってまいりました。その中では、多くの開発事業を見てまいりました。多くの事例は必ずしも成功した保全措置ばかりではありません。失敗事例も含め豊富な経験を活かし、生物多様性損失の阻止と持続可能な開発事業のサポートをしてまいります。
④弊社は、動植物の生息・生育基盤となる、水質、土壌調査も対応いたします。
事例・実績
①工事中における猛禽類モニタリング調査
オオタカ/営巣/ビデオモニタリング/工事中の馴化/事後(工事中)監視
②工事中及び供用後の代替措置実施(希少植物種の移植)
タコノアシ/代償措置検討・実施/種子採取・保管/発芽実験試/播種・移植作業/工事中~供用時
③ビオトープのモニタリング及び管理
ゲンジボタル/トウキョウサンショウウオ/モニタリング/ビオトープの保全施設のメンテナンス管理
④公園池の管理
魚類/貝類/底生動物/公園協会の池の水生生物調査
オオタカ
(東京都 商業施設建設)ゲンジボタル
(東京都 大学構内ビオトープ管理)公園の池
(東京都 公園管理)タコノアシ
(千葉県 保全措置(移植))
留意点
①各調査結果により調査時期の追加や調査期間の延長、追加の詳細調査が必要になる場合があります。
例)希少種の分布、猛禽類の営巣、確認できるのが季節限定の種 など
②許可の必要な調査があり、許可申請から許可が下りるまで時間がかかる場合があります。
例)魚類特別採捕、鳥獣捕獲、特定外来種、天然記念物、国立・国定公園内等
③動植物は経年により遷移していくため、調査から約5年以上経過すると、補足調査や再調査が必要になることがあります。