PM2.5とは

PM2.5とはおおむね直径2.5μm以下の微小粒子です。厳密には「粒径2.5μmの粒子を50%除去する分粒装置を通過した粒子状物質」であり、直径2.5μm以上の粒子が若干含まれます。

直径2.5μm以下の微小粒子は、人が吸い込むと肺の深部にまで到達し、肺胞など気道より奥に沈着するため、ぜんそくや気管支炎などの呼吸器疾患のほかに循環器系等への影響も大きいと考えられています。
肺の深部にまで到達するため、SPM*では、重量濃度が問題となっていたものが、PM2.5では、重量濃度に加え、含まれている有害物質の濃度も問題となります。

●環境基準(環境基本法第16条第1項に基づく人の健康の適切な保護を図るために維持されることが望ましい水準)
⇒年平均値が15μg/m3以下 かつ 日平均値35μg/m3以下
暫定指針値:日平均が70μg/m3以上になる恐れがある場合に注意喚起発動。

*SPM(浮遊粒子状物質:粒径10μmの粒子を100%除去する分粒装置を通過した粒子状物質)

  • PMの大きさ(人髪や海岸細砂)との比較(概念図)(出典:USEPA資料)

  • 人の呼吸器と粒子の沈着領域(概念図)(出典:国立環境研究所)

発生源・実態

粒子状物質には、物の燃焼などによって直接排出されるものと、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、揮発性有機化合物(VOC)等のガス状大気汚染物質が、主として環境大気中での化学反応により粒子化したものとがあります。

発生源としては、ボイラー、焼却炉などのばい煙を発生する施設、コークス炉、鉱物の堆積場等の粉じんを発生する施設、自動車、船舶、航空機等、人為起源のもの、さらには、土壌、海洋、火山等の自然起源のものもあります。

これまで取り組んできた大気汚染防止法に基づく工場・事業場等のばい煙発生施設の規制や自動車排出ガス規制などにより、SPMとPM2.5の年間の平均的な濃度は減少傾向にあります。

環境省HPより

(ご依頼後)調査・分析の流れ

ステップ1
調査

PM2.5の採取(SPMの採取)を行います。
〇米国EPA連邦標準法(FPM)に指定されている分粒装置を使用しています。
〇分析項目により、石英ろ紙、テフロンろ紙を使用します。

ステップ2
分析(重量濃度測定)

採取した検体の重量濃度測定を行います。
〇PM2.5分析では、微量な粉じんの秤量を行うため、温度、湿度を厳重に管理した秤量室を設けております。

ステップ3
分析(各成分測定)

重量濃度測定を行う以外には各成分測定を行うこともあります。

〇炭素成分
有機炭素、元素状炭素の測定を行います。

〇イオン成分
陽イオン、陰イオンの測定を行います。二次生成成分の判断のひとつです。

〇金属類
精度を確保するため、微量金属分析に適した 空調管理をしている実験室で分析を行います。

〇多環芳香族炭化水素

特長

大規模調査受注実績があります。

平成20~24年度東京都「大気中微小粒子状物質等の採取及び成分分析調査委託」

計画から報告まで社内で一貫して対応

調査機材・分析機材を自社保有し、調査・分析を行っているため、計画から報告まですべてを社内で一貫して対応することが可能です。

整備された精度管理、技術保有

●自社での調査・分析だからこそできる精度管理があります。
●PM2.5や、それより小さいナノ粒子の研究を行っており、確かな技術を保有しています。

事例・実績

●平成20~24年度東京都「大気中微小粒子状物質等の採取及び成分分析調査委託」
●墨田区 有害大気汚染物質及び微小粒子状物質(PM2.5)の調査委託
●豊田市 微小粒子状物質(PM2.5)の成分分析調査業務委託

留意点

●弊社のナノ粒子の研究
弊社では,大気中の微小粒子(PM2.5),そして微小粒子の中でも特に小さいナノ粒子(0.1μm以下の粒子)を対象に,毒性評価や高感度分析法による化学組成の解明に取り組んでいます。ナノ粒子は,肺胞に極めて高い沈着性を示すだけでなく,細胞や血管の内部にまで侵入してくることから,人体への影響が懸念されています。
これまでに弊社は,ナノ粒子の遺伝毒性(遺伝子に突然変異を与える性質)やニトロアレーン等の発ガン物質含有率が,微小粒子のなかでも著しく高いことをつきとめるとともに,ナノ粒子が体内への遺伝毒性物質や発ガン物質のキャリアーとして機能していることを世界に先駆けて発表してまいりました1, 2)。
1) Kawanaka et al., Atmospheric Environment (2004), 38, 2125-2132
2) Kawanaka et al., Journal of Health Science, (2006), 52, 352-357