サバの塩焼き…サバの味噌煮…サバの刺身…などなど、サバは、食卓でよく見かける身近な食材です。「しめサバ」のように酢を使った料理もありますが…この酢でしめる作業、何の意味があるんでしょうか。今回は広報担当の私(柴田)が社内のにおいのプロに詳しく話を聞いてきました!

においのプロフェッショナル

今回ご対応いただいたのは、におい・かおりLabの諸井さんです。
普段はお仕事で、臭気の測定や消臭・脱臭剤、空気浄化・脱臭装置の性能評価をされています。

 

―(広報担当・柴田)本日はよろしくお願いします。
―(においかおりLab・諸井)よろしくお願いします。今回はしめサバに使用されている酢は何の意味があるのか、でしたね。サバは一般に腐りやすい魚として知られていますね。そのため昔から酢や塩をサバに含ませて保存する工夫がされてきました。酢を使うことで、腐敗や腐敗を抑えることは知られていますが、今回は実際に、生のサバとしめサバを使って、腐敗に関して酢の効果を定量的に確認する実験をしてみましょうか。
―(柴田)どんな実験をするんですか??
―(諸井)この検知管を使ってにおいの物質(今回はメチルメルカプタンとアミン類)を測定することで比較してみます。※なお、今回の実験では、生ゴミから発生する臭気を把握することも目的としています。


 

いざ、実験開始!

―(諸井)袋のなかにそれぞれ生のサバとしめサバを入れ、1日目、2日目、3日目…と袋の中のにおい成分を検知管で測定していきます。合わせて嗅覚を使って、臭質の確認も行っていきます。

 

実験結果

―(諸井)さて、結果を見てみましょう。
―(柴田)どうなっているんでしょう…なんだか怖いです…。

■しめサバ(検知管が変色していません。)

■生のサバ(検知管が変色しています。)

―(諸井)  検知管の結果を棒グラフにしてみました。

■アミン類の発生状況

 

■メチルメルカプタンの発生状況

―(諸井)結果は明確ですね。生のサバでは腐敗臭が日が経つごとに増加し、酢を使ったしめサバでは腐敗臭は出てきませんでした。
―(柴田)こんなに違うんですね!実際ににおいを嗅がれていましたが、どうでしたか?
―(諸井)しめサバは酢のにおいがずっとしていましたが特に腐敗臭は感じませんでした。生のサバは日が経つと鼻の奥底に残る腐敗臭がしました。良い子はマネしないでね状態ですね…。
―(柴田)酢には本当に腐敗を抑制する効果があるんですね!

まとめ

今回の試験は、酢による腐敗抑制が有効であることをにおいのプロフェッショナルである諸井さんに、定量的に示していただきました。

 

なお、腐敗臭が検出されていないから食べられるというものではありません。保管状態に気をつけ、賞味期限を守り鮮度の良いうちに食べるようにしましょう!