PFASとは

人体に有害とされるPFASが地下水や河川水から検出されたという報道が、連日のようになされています。

PFASは、人工的に作られた1万種類以上の化合物群の総称で、もともと自然界には存在しない化合物です。
現在の所、その中のペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)及びペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)の3化合物が、その有害性や分解しにくいことからストックホルム条約(POPs条約)の付属書Aという最も厳しい条件を課されたカテゴリーに登録されており、原則として製造及び使用が禁止されています。
今後、POPs条約で規制されるPFASの数はさらに増加すると考えられています。

PFASは炭素原子とフッ素原子が強力な結合をしており、非常に分解しにくいことから、永遠の化学物質と呼ばれています。環境中に放出されたPFASは大気、水、土壌などの環境媒体を移動しながら汚染範囲を広げていき、その一部は人体にも吸収されます。

日本各地の水道水や河川水などからもPFOS、PFOA及びPFHxSの検出が相次いでいます。ECCでも国や地方自治体などからの業務を受注し、これらの化合物の分析を行っています。

PFASの分析方法

フッ素樹脂加工をおこなった調理用器具や撥水コーティング剤に代表されるように、PFASは私たちの身の回りで多く使用されているため、その分析を行う際には、分析時の汚染(コンタミネーション)に非常に注意をはらわなければなりません。すべての作業において、コーティング材等にフッ素を用いた樹脂製品はコンタミネーションを防ぐために使用することができません。水に含まれる主なPFASは以下の方法で分析することができます。

PFAS分析の作業一覧

試料採取

有機フッ素化合物を一切使用しない製品(有機フッ素化合物を含まないプラスチック製や金属製など)で地下水や河川水を採水します。

 

固相抽出

PFASを吸着する能力を持った固相カートリッジに採水した水試料を通水して、PFASを吸着させます。その後、吸着したPFASを有機溶媒で溶出させて濃縮します。

 

機器分析

高速液体クロマトグラフ(HPLC) と三連四重極型質量分析計(MS/MS)を組合わせたLC-MS/MSという装置による分析を行います。LC-MS/MSは超微量のPFASを測定することができる分析装置でECCでは3台が稼働しています。

今後の展開

現段階で規制されているPFASは、全有機フッ素化合物の中のほんの一部であり、分析可能な化合物も限られています。今後はますます規制されるPFASが増えることが予想されており、そのための分析法の開発が望まれます。ECCでは、日々、公的機関から発表された分析法を自社で分析可能にする検討や、新たなPFASの分析法を開発する業務に携わっております。(執筆:今井)

<<もっと詳しく知りたい方へ>>
PFOS、PFOA に関するQ&A集 2023 年7月時点(環境省)
https://www.env.go.jp/content/000150400.pdf