当社での土壌汚染対策工事について

当社では土壌汚染対策法に基づいた土壌汚染調査などによって、土壌汚染が確認された場合、対策工事を行っています。一言で土壌汚染対策工事と言っても、様々な工法があります。汚染状況やその土地の利用方法等を勘案し、その状況に適した工法にて対策工事を実施しています。

土壌汚染対策工事には主に【封じ込め】と【土壌汚染の除去】がありますが、今回は【土壌汚染の除去】の中で最も一般的な【掘削除去】を紹介したいと思います。

土壌汚染とは?

土壌汚染とは、一般的に、薬品や排水の漏洩等の【人為的原因】により有害物質が土壌中に蓄積され、その濃度が法や条例で定められた基準値を超えている状態を指します。

また、土壌汚染の中には、人間の活動に伴って生じた【人為的原因】だけでなく、【自然由来的原因】で汚染されているものも含まれます。

土壌汚染対策法の目的

土壌汚染対策法は、土壌汚染の状況の把握、土壌汚染による人の健康被害の防止に関する措置等の土壌汚染対策の実施を図ることにより、国民の健康を保護することを目的としています。

さらに、各自治体によっても各種条例や指針などにより、規制や指導を行っており、広く土壌汚染防止に努めております。

【掘削除去】による土壌汚染対策工事の流れ

(1)測量
掘削範囲の位置出し測量をします。

掘削範囲の寸法の計測をします。

(2)汚染土壌掘削
ショベルカー(正式にはバックホウ)により汚染土壌を掘削し、ダンプトラックに積込みます。

(3)掘削出来形確認
掘削後の平面の寸法を計測します。


掘削後の深度を確認します。

(4)埋め戻し
事前に分析済みの購入土による埋め戻しを行います。
30cmごとに転圧・埋め戻しを行います。

(5)汚染土壌を場外搬出
汚染土壌を汚染土壌処理の許可を取得している施設に運搬します。

土壌汚染対策工事で注意すること

土壌汚染対策工事では汚染の無い場所に汚染土壌を拡散させないことが大切です。施工の際には主に以下のことに注意しています。

・原則として、掘削した汚染土壌は汚染の無い場所には置きません。
・汚染土壌を運搬するダンプトラック等のタイヤに汚染土壌が付着しないようにし、舗装や鉄板上を走行するようにします。
・ダンプトラックに積み込んだ汚染土壌はシート等で養生し、飛散防止対策を実施します。
・揮発性有機化合物が確認されている汚染土壌はフレキシブルコンテナバックに詰め込んで運搬します。

最後に

このように当社としては、細心の注意を払い汚染土壌を拡散させないことはもとより、コスト、環境面及び対策後の土地利用等を総合的に捉え最適な工事計画のご提案及び実施を行ってまいります。(執筆:井上 博喜)