皆様こんにちは。八王子にある技術センターには様々な試験室があります。今回は分析員が働いている試験室の環境を少しご紹介したいと思います。

※イラストはイメージです。

私たちの職場で取り扱うもの

お客様からいただいた試料は、pH、金属、農薬など項目ごとにそれぞれの試験室で分析が行われます。金属の試験室では酸を使用したり、農薬の試験室では有機溶剤を使用したりします。土壌を粉砕する際には粉じんも生じます。分析を行う際にはこれら有害物質が身近な存在となりますが、分析員は危険に晒されながら作業を行っているのでしょうか。

有害物質を取り扱うということ

薬品を使用する際には性状を知り、最小量の使用にとどめ、健康診断では個人に影響がないかのチェックを行います。そして、有害要因を外に出さない、ばく露や作業負荷を軽減するような作業方法を定めることがまずは大切です。定めた作業方法が適切かどうか、私たちの働く試験室が有害物質の少ない状態に保たれているか、チェックを行うのが「作業環境測定」です。

自分たちの職場を測る

作業環境測定は、国家試験に合格し所定の講習を修了後、都道府県に登録された作業環境測定士が行いますが、ECCではこのような社員が数十名在籍しています。自分たちで測定することにより、労働者・測定士両方の立場で、日頃の作業工程について考え、コミュニケーションをとる機会にもなっています。また、全ての有資格者が常に士業に従事している訳ではない為、年2回の社内の作業環境測定はトレーニングの機会にもなっています。継続的に経験を積むことで、配置転換や育児休業などで人員配置に変化があった場合も対応が可能になります。

作業環境測定の必要性

有害物質を取り扱う際には、作業環境中の有害因子の状態を把握して、できるかぎり良好な状態で管理していくことが必要です。労働安全衛生法では有害物質を取り扱う屋内作業場では6ヶ月以内ごとに1回、定期的に作業環境測定を行い、その結果を評価し、問題があると判断された場合は直ちに原因を調べ、必要な措置を講じることが事業者に義務付けられています。計量証明事業を行うECCでは有機溶剤等の使用が伴うため、私たちの職場も継続して測定していく必要があります。

さいごに

お客様の環境課題を解決するにはまず身の回りから。基準値を守るだけでなく、より良い環境を目指して、今日も業務に取り組みます。(執筆/福本由美)